この記事の結論
最初の価格は、かかる費用、お客様が払える金額、似たサービスの価格の3つで決めます。正解は最初から分からないので、MVPで試しながら調整するのが近道です。MVPは10万〜100万円(数日〜数週間)が目安で、価格の検証にも使えます。
1. 最初の価格は、あとから変えられる
新しいサービスを作るとき、いちばん悩むのが「いくらにするか」です。高すぎると誰も買わず、安すぎると続けられません。
けれども、最初の価格が正解である必要はありません。価格は、使ってもらいながら調整できるからです。大切なのは、決めるための材料を、先にそろえておくことです。
この記事では、個人起業家の方も、会社の新規事業の担当者の方も使える、3つの視点を紹介します。
2. 視点1:自分にかかる費用から考える
まず、1人のお客様に提供するために、いくらかかるかを書き出します。これを下回る価格では、売れるほど赤字になります。
| 費用の種類 | 考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 毎月かかる費用 | サーバーや、使っているサービスの月額 | サービスを動かす月額の費用 |
| お客様ごとの費用 | 1人増えるごとに増える費用 | メール配信、決済の手数料 |
| 自分の時間 | 対応にかかる手間 | 問い合わせの返信、設定の手伝い |
自分の時間も費用に入れるのがコツです。無料で働く前提だと、続かなくなります。
3. 視点2:お客様が払える金額から考える
次に、お客様が「この悩みが解決するなら、いくらまで払うか」を考えます。サービスの原価ではなく、お客様にとっての価値で決める考え方です。
- 今、その悩みにかけている費用や時間はどのくらいか
- 今は何で代用していて、それはいくらか
- 解決したとき、お客様に何が残るか(時間、売上、安心)
たとえば、毎月3時間かかっている作業が無くなるなら、その3時間分の価値が、価格の目安になります。
4. 視点3:似たサービスの価格から考える
お客様は、似たサービスと見比べて判断します。競合の価格は必ず確認しましょう。
ただし、競合より安くするだけが答えではありません。安さで勝つのか、特徴で選んでもらうのかを、先に決めておくと迷いません。
- 競合の価格帯: 高い・中くらい・安いのどこにあるか
- 違い: 自分のサービスが勝っている点・負けている点
- お客様の選び方: 価格で選ぶのか、使いやすさで選ぶのか
5. MVPで価格を試す3つの方法
3つの視点で候補が出たら、実際にお客様に見せて反応を見ます。MVP(必要な機能だけで作る、小さな最初の版)なら、少ない費用で試せます。
| 方法 | やり方 | 分かること |
|---|---|---|
| 価格を並べて見せる | 案内ページに、2〜3種類の価格を載せる | どの価格が選ばれやすいか |
| 事前に申込みを受ける | 公開前に、予約の申込みを受け付ける | その価格で、本当に払う人がいるか |
| 人によって価格を変える | 最初の数人に、別々の価格を伝える | 価格を上げたときの反応 |
「いくらなら買いますか」と聞くだけでは、正確な答えは得られません。実際に払うかどうかを、確かめるのが大切です。
6. 値上げ・値下げの考え方
最初は少し低めに始めて、反応を見ながら上げる方法があります。ただし、あとから大きく上げると、お客様が離れることがあります。
- 値上げするときは、理由と、新しくできるようになったことを伝える
- 最初のお客様には、早く申し込んだ特典として、今の価格を続けると約束する方法もある
- 値下げは、いちど始めると戻しにくいので、慎重に行う
Ill(イル)株式会社では、価格の試し方を含めたMVPの範囲を、10万〜100万円・数日〜数週間の目安でご相談いただけます。標準規模は100万〜300万円(目安・約1〜2ヶ月)、大規模は個別見積もりです。
よくある迷い:場面別の考え方
知人に勧められて、安くしたくなるとき:最初のお客様ほど、価格の意見をくれる大切な存在です。安くする場合は、期間や人数を区切ると、あとで戻しやすくなります。
競合が無料のとき:無料の相手と、同じ土俵で戦う必要はありません。無料では得られない価値、たとえば手間の短縮、サポート、安心感を前に出して、有料にする理由を示しましょう。
何度も値段を聞かれて迷うとき:価格の根拠を、短い文章にして用意しておくと、自信を持って伝えられます。
8. 用語かんたん解説
- 原価:1つのサービスを提供するために、かかる費用
- サブスク:毎月・毎年、決まった額を払う利用の形
- 競合:同じお客様を取り合う、似たサービス
まずは、3つの視点の数字を、紙に書き出してみてください。書くだけで、価格の候補が見えてきます。
よくある質問
最初から有料にしても大丈夫ですか?
大丈夫です。お金を払うお客様の声は、無料の利用者より、サービスの価値を正しく教えてくれます。少人数から始めるのも一つの方法です。
価格を決めるのに、どのくらい時間をかければよいですか?
最初は数日で十分です。決めた価格をMVPで試し、反応を見て直すほうが、長く悩むより正確な答えに近づけます。
月額と買い切りは、どちらがよいですか?
毎月使い続けるサービスなら月額が向いています。1回で目的が終わるものは買い切りが向きます。お客様の使い方を想像して選びましょう。
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