この記事の結論
仕様書が書けなくても、システム開発は始められます。「誰が、何のために、何をしたいか」を開発会社と一緒に整理すれば、要件(作るものの決めごと)は固まります。要件の整理を含めたMVPは10万〜100万円・数日〜数週間、標準的な規模は100万〜300万円(目安・約1〜2ヶ月)が目安です。
1. 要件定義とは、「作るものの決めごと」を書き出すことです
要件定義とは、システムで何ができるようにするかを、あらかじめ言葉にして決めておく作業です。家を建てる前の「間取りの打ち合わせ」にあたります。
ここがあいまいだと、作ってから「思っていたのと違う」となり、作り直しの費用がかかります。これが、システム開発で後戻りが起きる一番の理由です。
とはいえ、最初から完璧な仕様書を書ける人はほとんどいません。新しい事業を始める個人の方も、中小企業の担当者の方も、ITの知識がなくて大丈夫です。
2. 仕様書がなくても進められる、4つのステップ
開発会社と一緒に進める場合の、流れの例です。
- 困りごとを話す:いま何に困っているか、誰が使うかを、自分の言葉で伝える
- 流れを絵にする:作業の流れを、簡単な図にして確認する
- 画面の見本を見る:実際の画面に近い絵を見て、イメージの違いを直す
- 作るものと作らないものを決める:最初の範囲を、書面で確認する
特に3番目が大切です。文章より、画面の絵のほうが、認識のずれに早く気づけます。
3. 後戻りを減らすための、3つの工夫
- 使う人に聞く:実際に使う現場の人の話を、最初に聞く。担当者の思い込みと現場の実際は、違うことが多い
- 優先順位をつける:「必須」と「あれば便利」を分け、必須だけを先に作る
- 決めたことを、書面に残す:話し合いの内容は、メモでもよいので記録に残す
これらを守っても、後戻りがゼロになるわけではありません。小さく作って、確認しながら進めることで、後戻りの大きさを小さくできます。
4. 伴走してくれる開発会社の見分け方
要件の整理を手伝ってくれる会社かどうかは、最初の打ち合わせで分かります。
- 専門用語を使わず、分かる言葉で聞いてくれるか
- 「何のために作るのか」を、先に質問してくれるか
- 機能を足すだけでなく、「それは今は要りません」と言ってくれるか
- 要件の整理が、見積もりに含まれているかを、はっきり示してくれるか
Ill(イル)株式会社では、日本側の担当が要件の整理と品質の確認を行い、ベトナムの開発チームが実装を進めます。Claude Codeで画面の見本も素早く作り、早い段階で見て確認できるようにしています。
5. 発注前のチェックリスト
- 「誰の、どんな困りごとを解決するか」を、1文で言えるか
- 実際に使う人の意見を、聞いたか
- 最初に作らないものを、決めたか
- 画面の見本を見て、確認する機会があるか
- 決めたことを記録する人が、決まっているか
要件の整理を含めた費用の目安
要件を整理する作業を含めた、規模別の目安です。
| 開発の規模 | 主な内容 | 他社の目安 | Ill(イル)株式会社 | 想定期間 |
|---|---|---|---|---|
| 小さな試作版(MVP) | 困りごとの整理、画面の見本、中心の1機能の開発 | 300万〜600万円程度 | 10万〜100万円 | 数日〜数週間 |
| 標準的な業務システム | 複数の業務の整理、画面の見本、権限や通知を含む開発 | 600万〜1,500万円程度 | 100万〜300万円(目安) | 約1〜2ヶ月 |
| 大規模・既存システムあり | 現行の仕組みの調査、段階的な移行計画、他システムとの連携 | 1,500万円以上 | 個別見積もり | 要件により異なる |
他社の目安は、一般的な傾向を示した参考値です。Ill(イル)株式会社の金額は、機能や条件により変わります。
よくある質問
要件定義は、開発会社に任せきりでも大丈夫ですか?
任せきりはおすすめしません。何を解決したいかは、事業の当事者にしか分かりません。開発会社が整理を手伝い、最終的な判断はご自身で行う形が、後戻りを防ぎます。
要件がまだ決まっていない段階で、見積もりはもらえますか?
おおよその目安は出せます。ただし、要件が固まると金額も変わります。まず範囲を整理し、そのうえで見積もりをもらう流れがおすすめです。
途中で、やりたいことが変わったらどうなりますか?
変更は起こるものです。変更の内容によって、費用や期間が変わることがあります。変更の依頼の進め方を、最初に開発会社と確認しておくと安心です。
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