この記事の結論
見積書は、金額の合計より「何の作業に、どれだけかかるか」が見えるかを確認します。項目の意味が分かれば、不要な費用や、あいまいな「一式」に気づけます。目安として、MVPは10万〜100万円、標準的な規模は100万〜300万円(約1〜2ヶ月)、大規模は個別見積もりです。
1. 見積書は、「何にいくらか」を知るための書類です
システム開発の見積書は、合計の金額が目立ちます。しかし、本当に見るべきなのは中身の内訳です。内訳が分かれば、他社との比較も、削る相談もしやすくなります。
ITに詳しくない方でも大丈夫です。項目の意味を、家づくりにたとえると理解しやすくなります。設計図を描く、基礎を作る、内装をする、検査をする。システムもほぼ同じ流れです。
中小企業の担当者の方も、新しい事業のシステムを頼む個人の方も、まず項目の意味を知ることから始めましょう。
2. よくある項目の意味
見積書によく出てくる項目を、やさしく説明します。
- 要件定義:何を作るかを話し合って決める作業(家づくりの「間取りの相談」)
- 設計:画面や、データの置き方を決める作業(設計図づくり)
- 開発(実装):実際にプログラムを作る作業(工事)
- テスト:思ったとおり動くかを確かめる作業(検査)
- ディレクション(進行管理):作業の進み具合を管理し、連絡をまとめる役割
- 保守:公開後の不具合の修正や、相談に応じる作業
「一式」としか書かれていない行があれば、中身を聞いてください。
3. 「人月」という単位の読み方
見積書には、「人月(にんげつ)」という単位が出てくることがあります。1人が1か月働く作業量のことです。3人が2か月なら、6人月です。
この数字を見るときは、金額の高い安いより、作業量の根拠を確認します。たとえば、「画面10枚で2人月」と書かれていたら、1画面あたりの作業量は妥当かを、聞いてみるのです。
なお、人月の単価は会社や体制によって大きく異なります。作る体制(日本のみか、海外の開発チームと組むか)でも変わるため、単価を他社と単純に比べないようにしてください。
4. 不要な費用に気づくための質問
見積書を受け取ったら、次の質問を試してください。
- この項目をなくすと、何が困りますか?
- この作業は、最初に必要ですか。あとでもよいですか?
- 同じ作業を、もっと小さい範囲で行う方法はありますか?
- 公開後の保守は、どこまでが含まれますか?
誠実な会社なら、理由をきちんと説明してくれます。説明があいまいなまま進めないことが、大きな予防になります。
5. 発注前のチェックリスト
- 「一式」の行が、ほとんどないか
- 要件定義から保守までの項目が、そろっているか
- 作らないものが、書いてあるか
- 追加の依頼をしたときの、費用の決め方が書いてあるか
- 複数社の見積書を、同じ項目で並べて比べたか
Ill(イル)株式会社でも、見積もりの内訳の説明に、いつでもお答えします。
規模別の見積もりの目安と、見積書で見る点
規模ごとの目安と、それぞれで特に確認したい項目です。
| 開発の規模 | 主な内容 | 他社の目安 | Ill(イル)株式会社 | 想定期間 |
|---|---|---|---|---|
| 小さな試作版(MVP) | 要件定義・設計・開発・テストが、小さくまとまっていること | 300万〜600万円程度 | 10万〜100万円 | 数日〜数週間 |
| 標準的なシステム | 各作業の内訳と、保守の範囲が、分かれて書かれていること | 600万〜1,500万円程度 | 100万〜300万円(目安) | 約1〜2ヶ月 |
| 大規模なシステム | 段階ごとの区切りと、追加の依頼時の費用の決め方が書かれていること | 1,500万円以上 | 個別見積もり | 要件により異なる |
他社の目安は、一般的な傾向を示した参考値です。Ill(イル)株式会社の金額は、機能や条件により変わります。
よくある質問
見積書の「一式」は、必ず避けるべきですか?
小さな作業なら、一式でも問題ありません。大きな金額の行が「一式」の場合は、中身の確認が必要です。何が含まれるかを書いてもらうようお願いしましょう。
見積もりの金額が、会社によって何倍も違うのはなぜですか?
作る範囲、作る体制、含まれる作業の違いが主な理由です。同じ条件で依頼しても、前提の置き方で変わります。金額より、前提を比べてください。
見積もりのあとで、金額が増えることはありますか?
仕様の追加や変更があれば、増えることがあります。追加の依頼をしたときの費用の決め方を、事前に確認しておくと安心です。
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