この記事の結論
古いシステムの入れ替えは、一度にすべて作り直さず、困っている部分から少しずつ切り出して新しくすると、費用とリスクを抑えられます。最初の切り出しは10万〜100万円・数日〜数週間、標準的な規模は100万〜300万円(目安・約1〜2ヶ月)で進められます。全面的な刷新は、要件により個別見積もりです。
1. 古いシステムを放っておくと、何が困るのか
10年以上前に作られ、中身がよくわからなくなったシステムを「レガシーシステム」と呼びます。作った担当者が辞めてしまい、誰も手を入れられない状態を「塩漬け」ということもあります。
経済産業省の「DXレポート」では、こうした古いシステムを放置すると、2025年以降に大きな経済損失が出るおそれがあると指摘されました(いわゆる「2025年の崖」)。中小企業の担当者にとっても、これは他人事ではありません。
- 維持費が高止まりする:古い機器や製品の延長サポート費がかさみ、新しいことに使えるお金が減る
- 安全面のリスクが増える:最新のセキュリティ対策を入れられず、情報漏えいなどの危険が高まる
- 新しい道具とつながらない:スマートフォン対応や、新しいサービスとの連携ができず、競合に遅れる
2. 入れ替えの方法は3種類。まず違いを知りましょう
既存のシステムを新しくする方法は、大きく次の3つに分かれます。
- そのまま引っ越す(リホスト):プログラムの中身は変えず、新しい環境(クラウドなど)に移す。いちばん早く、費用も小さい。ただし、古い作りの問題は残る
- 土台を新しくする(リプラットフォーム):大枠は残しつつ、データベースなどを新しいものに替える。中くらいの費用と期間
- 作り直す(リビルド):仕事の流れから見直して、ゼロから作る。費用も期間もかかるが、仕事の進め方そのものを新しくできる
どれが良いかは、何に困っているかで決まります。「古い機器が壊れそう」ならリホスト、「機能を足せない」ならリビルド、というように選びます。
3. 失敗しにくい、入れ替えの5つの手順
入れ替えが失敗する大きな原因は、いまのシステムが何をしているかを把握しないまま、作り直しを始めることです。
- 棚卸し:いま動いている機能を一覧にし、使われていないものを外す
- 方法を決める:上の3種類のうち、どれにするかを決める
- データを整える:古いデータの表記のゆれや壊れた部分を直してから移す
- 並べて動かす:新旧を同時に動かし、売上や集計の数字がずれないか確かめる
- 少しずつ切り替える:一度に全部ではなく、部署や機能の単位で切り替える
4. Illが勧める「少しずつ入れ替える」進め方
Ill(イル)株式会社は、費用を大きくかけて一度にすべてを作り直す方法は、原則として勧めていません。
代わりに、いちばん困っている部分(たとえば「問い合わせの管理」や「会員向けの画面」)だけを、新しいシステムとして切り出します。古いシステムは動かしたまま、そこに新しい部分をつないでいく方法です。
この進め方なら、日々の仕事を止めずに、投資も小さく始められます。また、新しいシステムが使われるのを確かめてから、次の部分に進めます。
5. 発注前に確認したいチェックリスト
- いまのシステムの「困りごと」を、3つ以内に絞って書き出したか
- 設計書やソースコードが残っているか。なければ、その前提で見積もりを頼んだか
- いまのシステムを動かしたまま、新旧を並べて使う期間を、見込んでいるか
- 取引先や、他のシステムとつながっている部分を、洗い出したか
- 「全部を一度に」ではなく、段階に分けた見積もりをもらったか
システム入れ替えの費用の目安
範囲の広さによる、費用の目安です。レガシーシステムは状態がまちまちなので、実際は調査をしてから見積もりを出します。
| 開発の規模 | 主な内容 | 他社の目安 | Ill(イル)株式会社 | 想定期間 |
|---|---|---|---|---|
| 一部だけ切り出す | いちばん困っている機能1つを、新しいシステムとして切り出す | 300万〜800万円程度 | 10万〜100万円 | 数日〜数週間 |
| 主要な機能を入れ替える | 複数の機能とデータの移行、新旧の並行運用 | 1,000万〜3,000万円程度 | 100万〜300万円(目安) | 約1〜2ヶ月 |
| 全体を作り直す | 業務の見直しから、全機能の再構築、段階的な切り替え | 3,000万円以上 | 個別見積もり | 要件により異なる |
他社の目安は、一般的な傾向を示した参考値です。Ill(イル)株式会社の金額は、現状の調査をしたうえで、個別にご案内します。
よくある質問
設計書がなくても、古いシステムを入れ替えられますか?
入れ替えられます。ただし、いまの動き方を調べる作業が先に必要になります。画面や出力される帳票、実際のデータをもとに、何をしているかを整理してから、進め方と費用をご提案します。
入れ替えのあいだ、仕事は止まりますか?
少しずつ切り替える進め方なら、基本的には止めずに進められます。新旧を並べて動かし、数字がずれないことを確かめてから、切り替えます。
まず何から相談すればよいですか?
いまのシステムで困っていることを、3つほど教えてください。使っている期間、担当者、他のシステムとのつながりがわかれば、あわせて伺います。そこから、どの方法が合うかをご案内します。
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