Claude CodeでX(旧Twitter)投稿を自動化する自社運用事例
毎晩、AI(Claude)が翌日分のX(旧Twitter)の投稿案をまとめて作ります。人が内容を見て承認したものだけが、翌日の決まった時刻に自動で投稿されます。点数などの数字はAIに考えさせず、サービス本体の計算結果をそのまま使います。いきなり全部を自動にせず、承認しながら少しずつ任せる範囲を広げています。
1. なぜ必要か:SNSの発信は、手作業だと続かない
自社サービスを知ってもらうために、Xで毎日発信することにしました。
ところが、投稿文を毎日考えて、決まった時間に手で投稿するのは、忙しくなると真っ先に止まってしまいます。
- 続かない: 1本は数分でも、1日に何本も、毎日となると大きな負担になる。
- 言い回しがバラバラになる: 書く人や時期で雰囲気が変わり、サービスの印象が揃わない。
- 事実と違うことを書くリスク: 根拠のない数字や、利用者のふりをした口コミ風の投稿は、信用を失う原因になる。
必要だったのは、投稿を自動で作ることだけではありません。「何を書いてよいか」を機械が守れる形にし、最後は人が承認できるようにすることでした。
2. 仕組み:毎晩の投稿案づくりから投稿まで
流れは、次の5ステップです。
- 材料を計算する: 毎晩、翌日の日付をもとに、サービス本体と同じ計算でその日の運勢や相性の点数を出します。
- AIが翌日分の投稿案を作る: 「書いてよいこと・書かないこと」をまとめた社内ルールを読んだうえで、AI(Claude)が投稿文の言い回しを作ります。数字はAIに考えさせず、1. の計算結果をそのまま使います。
- 自動でチェックする: 使ってはいけない言葉や文字数を、機械が確かめます。
- 人が見て承認する: 翌日分の投稿案が一覧で届きます。人が読んで、直す・出さない・承認するを決めます。承認しなかった投稿は出ません。
- 決まった時刻に投稿する: 承認した投稿が、朝から夜までの決まった時刻に1本ずつ自動で投稿されます。投稿の直前にも、もう一度チェックします。
仕組みづくりそのものは、AI(Claude Code)と一緒に進めました。社内ルールには、サービスの方針や表現の決まりが書かれています。これにより、AIが毎回同じ前提で文章を書けるようになります。
3. AIに書かせてよいこと・書かせないこと
自動化で一番大切なのは、先に「やってはいけないこと」を決めておくことです。社員に仕事を頼むときのマニュアルと同じ考え方です。
| 区分 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 書いてよい | サービス本体が計算した結果(その日の運勢や相性の点数など)、決まった型にそった問いかけや豆知識、運営元の署名 |
| 書かない | 利用者のふりをした体験談や口コミ風の文章、他の人の投稿の書き写しや言い換え、断定や保証・医療やお金の助言、裏づけのない数字や統計、サービス公開前のリンクや「無料」などの誘い文句 |
| 人が確認する | 毎日の投稿案の承認、新しい型や言い回しの追加、承認なしの自動投稿に切り替える判断、コメントへの返信 |
この表をそのままルールとしてAIに読ませ、同じ内容を機械のチェックにも入れています。新しく入った人間の担当者にも同じ表を渡せるので、特定の人だけが知っている状態になりません。また、自動フォローや自動いいね、コメントへの自動返信はしません。
4. 進め方:まず毎日承認、慣れたら自動に
SNSの投稿は、出してしまうと取り消しにくいものです。そのため、いきなり完全自動にはしません。次の順番で進めています。
- 毎日、人が承認する: AIが作った翌日分の投稿案を人が読み、承認したものだけを出す。いまはこの段階です。
- 出来が安定したら自動にする: 承認なしで投稿する設定に切り替える。切り替えは設定を1か所変えるだけで、いつでも元に戻せます。自動にしたあとも、投稿直前のチェックは続けます。
- 止め方を決めておく: 投稿しない投稿は1本ずつ止められ、時間内に承認されなかった投稿は自動で取りやめになります。
Ill(イル)株式会社では、承認なしの自動投稿に切り替えるかどうかは、人が判断して決める方針です。
5. 得られた効果と、気をつけていること
投稿文を考えて、時間どおりに手で投稿する作業がなくなり、人の仕事は「読んで承認する」だけになりました。発信も途切れにくくなっています。社内ルールを書き換えるだけで、投稿全体の雰囲気や禁止事項をまとめて変えられるのも、人の手作業にはない良い点です。変更の記録も残るため、いつ誰が何を変えたかが分かります。
一方で、投稿の最終的な責任は人にあります。AIが書いた内容をそのまま信じず、数字はサービス本体で計算した、裏づけのあるものだけを使っています。
6. 新しいサービスづくり(MVP)への活かし方
ここで紹介した「AIに役割を渡し、最後の確認は人がする」というやり方は、新しいサービスの試作品(MVP)づくりにもそのまま使えます。
新しい事業を始めたばかりの時期は、情報発信に使える人手が少ないのがふつうです。「AIが決めたルールで投稿案を作り、人は承認だけをする」仕組みは、小さく作ってすぐ試せます。Ill(イル)株式会社は、AIを使った開発(Claude Code)とベトナムの開発チームを組み合わせ、試作品(MVP)を10万〜100万円・数日〜数週間から作っています(内容により個別にお見積もりします)。
- Claude Code(クロード コード)
- Anthropic社のAIで、パソコンの中で文章やプログラムを作る作業を手伝ってくれる道具です。
- MVP(エムブイピー)
- まず最低限の機能だけで作る「試作品」のことです。小さく作って早く試すために使います。
- 自動投稿
- 決めた時刻や条件で、人が操作しなくても投稿が行われること。この事例では、人が承認した投稿だけが自動で出ます。
よくある質問(FAQ)
Q. AIによるSNS自動投稿は、新しい事業にも使えますか?
A. はい、使えます。事業を始めたばかりの頃は発信に割ける人手が少ないため、AIが投稿案を作り、人は承認だけをする仕組みは相性が良い使い方です。Ill(イル)株式会社では、試作品づくりとあわせた運用のご相談も承っています。
Q. AIが間違った内容を投稿してしまうリスクは、どう防ぎますか?
A. AIに「書いてよいこと・書かないこと」を先に決めて渡し、投稿の前には決まった言葉や文字数を機械でチェックします。いまは、人が承認した投稿だけが出る設定です。点数などの数字は、AIに考えさせず、サービス本体の計算をそのまま使います。
Q. 最初から完全自動にしても大丈夫ですか?
A. おすすめしません。まずは毎日の投稿案を人が見て承認する形で始め、出来が安定してから、承認なしで出す範囲を広げるのが安全です。切り替えは設定を1か所変えるだけにしておき、いつでも元に戻せるようにします。