Claude Codeを開発担当のAI社員として運用する自社事例
AI(Claude Code)に「役割・守るルール・確認の流れ」を渡し、開発担当の社員として働かせています。AIが修正案を作り、人が中身を見て承認してから反映します。人が見る場所を絞ることで、少人数でも回る体制にしています。
1. なぜ必要か:少人数の開発は、確認作業で手が止まる
少人数で複数のホームページや自動化の仕組みを守っていると、小さな修正のたびに開発者の手が止まります。その結果、本来やりたい新しいサービスづくりが進みにくくなります。
- 特定の人にしか分からない: サイトの作り方やルールが担当者の頭の中にあり、引き継ぎに時間がかかる。
- 確認に手間がかかる: 小さな修正でも、他に影響しないかを調べる作業が必要。
- ルールを毎回伝えるのが大変: 「本番で動いている仕組みは、頼まれない限り触らない」といった約束を、毎回口で伝えるのは非効率。
2. AI社員の作り方:役割・ルール・確認の3つを文章にする
Ill(イル)株式会社では、AIを単なる道具ではなく「役割を持つ社員」として扱っています。新入社員に渡す資料と同じで、次の3つを文書にしました。
| 決めること | 中身 | 置いてある場所 |
|---|---|---|
| 役割 | 担当する仕事、守る前提、報告のしかた | AI社員の説明ファイル |
| 会社の方針 | 事業の方向性、制作のルール、書いてよい事実 | 社内ルールの文書 |
| 仕事の進め方 | 変更は別の作業場で行い、人が確認してから反映する。本番の仕組みは頼まれない限り変えない | プロジェクトの指示ファイル |
これらの文書はAIが毎回読み込みます。担当する人が変わっても、AIは同じルールで動き続けるのが大きな利点です。
3. 変更は「確認依頼」を通して、人が承認する
AIが行った変更は、すぐに本番へ反映しません。コピーした作業場(ブランチ)で作業し、「変更の確認依頼(プルリクエスト、略してPR)」を出します。
- AIが、本番とは別の作業場で修正する。
- 修正の前後を確かめ、結果を報告する。
- 人が変更箇所を見て、問題なければ承認して反映する。
この流れで、たとえばサイトの表示速度を測るレポートの追加や、記事の冒頭に結論をまとめる枠の追加など、いくつもの改善を反映してきました。変更の履歴が残るため、あとから理由をたどれます。
4. 任せること・人が確認すること
| AIに任せる | 人が必ず確認する |
|---|---|
| 決まったルールに沿った修正や追加、レポートの作成、修正後の動作確認と報告 | 本番で動いている自動の仕組みの変更、ファイルの削除などもとに戻しにくい操作、金額や契約に関わる表現、申し込みボタンやサイト全体の構成の大きな変更 |
Ill(イル)株式会社では「事実は確かめてから報告する」「原因を推測で決めつけない」というルールも文章にしています。AIの報告に推測が混ざると、人の判断を間違わせてしまうからです。
5. やってみて分かった注意点
- ルールは短く、具体的に: 長すぎる決まりは守られにくい。禁止事項と判断の基準に絞る。
- 確認まで仕事に含める: 修正したら、正しく動くかのチェックまでを役割にする。
- 人の確認を軽くする: 1回の変更を小さくして、見ればすぐ判断できる量にする。
AIに任せるほど、「人が見るべき場所を絞る工夫」が大切になります。
6. 新しいサービスづくり(MVP)への活かし方
ここで紹介した「AIに役割を渡し、最後の確認は人がする」というやり方は、新しいサービスの試作品(MVP)づくりにもそのまま使えます。
試作品の開発でも、やりたいことと禁止事項を文書にしてAIに渡し、変更を人が確認しながら進める方法は有効です。Ill(イル)株式会社は、AIを使った開発(Claude Code)とベトナムの開発チームを組み合わせ、試作品(MVP)を10万〜100万円・数日〜数週間から作っています(内容により個別にお見積もりします)。
- AI社員
- 役割とルールを文書で与えて、社員のように仕事を任せているAIのことです。
- PR(プルリクエスト)
- 「この変更を本番に反映してよいですか?」という確認依頼のことです。人が内容を見て承認します。
- ブランチ(作業場)
- 本番に影響しないよう、コピーして作業するための場所です。
- MVP(エムブイピー)
- 最低限の機能だけで作る「試作品」のことです。
よくある質問(FAQ)
Q. AI社員に任せてはいけない仕事はありますか?
A. 本番で動いている仕組みの変更、元に戻しにくい操作、金額や契約に関わる表現は、人の確認を必須にします。Ill(イル)株式会社でも、変更を人が承認する前提で運用しています。
Q. AIを使った開発を取り入れると、試作品づくりはどう変わりますか?
A. 修正や作成の最初の対応をAIが行うため、数日〜数週間での試作品づくりが可能になります。試作品の目安は10万〜100万円で、内容により個別にご案内します。
Q. AI社員を取り入れるには、何から始めればよいですか?
A. まず「担当する仕事」と「やってはいけないこと」を1枚にまとめ、変更を人が確認する流れを作ります。小さな修正から任せて、様子を見ながら範囲を広げるのがおすすめです。